サルナート

仏陀が初めて法を説いた地「サールナート」

静寂に包まれた、仏教のはじまりの地へ

インド・ヴァーラーナシ(バラナシ/ベナレス)の喧騒を抜け、車でわずか30分。
緑に包まれた静寂の地「サールナート」に足を踏み入れた瞬間、時の流れが緩やかに変わったかのような感覚に包まれます。

ここは、仏陀――釈迦(ゴータマ・ブッダ)が悟りを開いた後、初めて“真理の言葉”を語った場所
「人生の苦しみと、それを超える道」を説いたこの瞬間が、まさに仏教の始まりであり、
世界中の仏教徒にとって原点であり、魂が呼び戻される地でもあります。

今から約2,500年前。ブッダはこの地で5人の修行者に向けて初転法輪の教えを説きました。
その出来事は、のちのアジア文化と哲学、そして多くの人々の人生観に計り知れない影響を与えていくのです。

喧騒から離れ、静かに自分自身と向き合いたいすべての旅人へ。
サールナートは、ただの史跡ではなく、**心の奥に響く「始まりの場所」**として、今もそっと旅人を迎えてくれます。

サルナート

歴史と宗教的意義

紀元前528年頃、ブッダはブッダガヤで悟りを開いた後、自らの教えを初めて5人の弟子に向けて説きました。これが「初転法輪(しょてんぽうりん)」と呼ばれ、仏教の布教が始まった重要な瞬間です。

その舞台こそが、このサールナートなのです。ここには古代から数多くの仏教寺院や僧院が建てられ、アショーカ王の時代には壮大な石柱や仏塔が建設されました。現在も、その遺構が点在し、静かな時間が流れる中で訪問者を迎えています。

主な見どころ

1. ダメーク・ストゥーパ(Dhamek Stupa)

サールナートを代表するランドマーク。初転法輪の地を記念して建てられたとされ、高さ約43メートル、直径約28メートルの壮大な仏塔です。アショーカ王時代の礎に、グプタ朝の建築が加えられており、幾何学模様の装飾も見事です。

2. ムルガンダ・クティー・ヴィハーラ(Mulagandha Kuti Vihara)

スリランカ仏教会が20世紀に建てた新しい寺院で、内部には日本人画家・野生司香雪氏による仏陀の生涯を描いた美しい壁画が飾られています。瞑想スペースとしても人気があり、穏やかな空気が流れます。

3. アショーカ王の石柱(Ashoka Pillar)跡

現在は倒壊していますが、インドの国家紋章でもある“四頭の獅子像”の原型がここで発見され、今はサールナート考古学博物館に保存されています。紀元前3世紀のアショーカ王が仏教布教の象徴として建てた柱です。

4. サールナート考古学博物館

実物のアショーカ柱の頂部「ライオン・キャピタル」、グプタ様式の仏像、僧院跡から出土したレリーフなど、貴重な文化財を展示しています。仏教芸術やインド古代史に興味のある方には必見の場所です。

現地体験・おすすめの過ごし方

    • 朝の瞑想体験:静かな早朝に訪れ、ダメーク・ストゥーパ周辺で瞑想するのが人気。現地僧侶のリードで座禅が体験できることもあります。

    • 写経や祈りの時間:ムルガンダ・クティー・ヴィハーラで祈りを捧げたり、短い写経を行うことも可能。

    • 仏教巡礼者との交流:タイ、ミャンマー、チベット、スリランカなどから訪れる巡礼者たちとの出会いも貴重な体験。

アクセス方法

  • 最寄り都市:ヴァーラーナシ(Varanasi)
    市内中心部からタクシーやリクシャーで約30〜40分。日帰り観光に最適です。
  • 最寄り鉄道駅:ヴァーラーナシ・ジャンクション駅

  • 空港:ラール・バハードゥル・シャーストリ空港(ヴァーラーナシ空港)

宿泊について

  • サールナート周辺には簡易な宿泊施設もありますが、快適な滞在を希望する場合はヴァーラーナシ市内のホテルに宿泊し、日中にサールナートを訪れるスタイルがおすすめです。

まとめ:静寂と悟りの時間が流れる場所

サールナートは、華やかで喧騒に満ちたヴァーラーナシとは対照的に、静かで敬虔な空気に包まれた場所です。仏陀の教えの原点に触れることで、自分自身と向き合う時間を持ちたい方、心を癒したい旅人にぴったりの聖地です。

サールナートはベナレス(ヴァーラーナシ)から日帰りで訪れることが可能です。
仏教の聖地を巡る静かな時間をお楽しみいただける観光プランをご用意しております。

また、サールナートを含めた北インド周遊プランや仏教聖地巡礼の旅など、ご希望に応じてオーダーメイドの旅程もご提案可能です。
現地ガイド、送迎、ホテルの手配までトータルでサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。」